風邪・インフルエンザの時に起きる事
インフルエンザや風邪を起こすウイルスは、咽の粘膜細胞に感染するウイルスです。ウイルス性胃腸炎を起こすウイルスは、胃や腸と言った消化管粘膜に感染するウイルスです。ウイルスは細胞の中に侵入して増殖していきます。ウイルスに侵入された細胞では「炎症」がおきます。咽で炎症が起きれば咽が腫れて痛くなります。咳、痰が出ることもあります。胃で炎症が起きると、ムカムカしてきて、炎症が強くなると吐きます。これらの症状は、ウイルスを排除しようとする免疫反応によって表れる症状です。
ウイルスが増えて抑えきれない場合、体は免疫細胞を増産してウイルスを排除する準備をしていきます。免疫細胞が十分に増えると、免疫のスイッチがONになり、発熱してきます。
インフルエンザ、風邪の場合
咽の痛み、咳、熱は「治癒反応」ですので、悪化して喘息や肺炎になることは通常はありません。痛みや熱を解熱剤などで抑えることは免疫の働きを抑える事になり、逆に肺炎などの重症化リスクを高めます。
プラス薬局の漢方治療は免疫機能をサポートして、治癒反応を促進させますので、治りが早くなります。
免疫細胞の働き
ウイルスと戦うのは、リンパ球という数種類の免疫細胞グループです。細胞の外にいるウイルスに対しては、B細胞というリンパ球種が「抗体」という免疫物質を生産してウイルスを中和していきます。細胞内に侵入したウイルスには抗体は効果がありませんので、キラーT細胞というリンパ球種が、侵入された細胞(感染細胞)ごと破壊していきます。ウイルスが中和され、感染細胞が破壊されてしまうと基本的には治っています。
発症前(初期)～発症(発熱)～治っていくまで
多くの場合、最初「咽の痛み腫れ」だけで熱や悪寒はありません。この発症前の段階で適切な漢方で治療してウイルスが増える前に排除できれば、約1日で治ります。
ウイルスが増えてしまうと、免疫細胞(リンパ球)による攻撃が始まり、発熱悪寒、倦怠感が表れてきます。葛根湯の出番はこの時です。この段階の漢方治療は症状などで様々になります。ウイルスが排除されると基本的には治っていますが、炎症が起きていた粘膜は「傷」ができた状態になっています。
擦りむき傷からは、やや黄色い粘り気がある分泌液が出ますが、その分泌液には傷を治すために必要な成分が含まれています。
粘膜の傷からも、やや黄色く粘り気がある分泌液が出ます。そのため、やや粘り気がある白っぽい痰に黄色っぽい痰が混じった痰がでます。傷による炎症も起きていますので、イガイガする等があります。
咽に溜まった痰を外に排泄するために「咳」が出ます。この咳は、生理的な咳で、無理に止める必要はありません。この時の咳を、咳止め、抗アレルギー剤、痰の分泌を抑える薬などで抑えようとすると、結果的に治りが遅くなります。うがいも、傷を治す成分を含んだ分泌液(痰)を洗い流すことになり、水で傷が刺激されて炎症が強くなり、咳を酷くし治りを遅らせる結果になります。不必要な化学薬品は、二次感染のリスクを高める事にもなります。
咽の粘膜の傷が治るまでは咳が続きます。
咽の痛みが強かった場合、傷が広い範囲に出来ています。傷の範囲が広いほど、痰の分泌量が多くなりますので、咳も強くなりますが、咳のために悪化して、気管支炎や肺炎になることはありません。
ウイルスが排除されてから、数日間は痰の分泌量が増えていきますので、咳が強くなっていきます。しかし、傷がほぼ治ると、痰が分泌されなくなるため、咳は急速に治まっていきます。プラス薬局では、傷の治りを促進させていく漢方治療を行います。多くの場合で7日以内に咳は治まります。
咽の粘膜で、ウイルスを排除できなかった場合、二次感染を起こしてきた場合、気管支粘膜に炎症が移行してきます。この状態は風邪がこじれた状態です。風邪がこじれる原因は、免疫バランスが悪いなど体の状態に何らかの問題があるケースが多いです。プラス薬局では、多角的な方向から免疫バランスを整えるサポートを行っています。
※ウイルス感染を含め現代の疾病には、免疫力の低下ではなく「免疫バランスが偏っている」事が原因になっているケースが非常に多いです。