日本人は動物性脂肪を摂った方が
脳出血・脳梗塞が減少する
お肉、バターなどの乳製品に多く含まれる動物性脂肪を摂ると、悪玉コレステロール(LDL)が増えて、血管がつまって脳梗塞などを起こしやすくなる、と言われています。
しかし、厚労省が公表した最新の『日本人の食事摂取基準(2020年版)』には「メタ・アナリシスによると、日本人は(中略)飽和脂肪酸の摂取量と脳出血及び脳梗塞の発症(又は死亡)率との間には負の関連が観察されている」と記載されています(p133)。
※負の相関関係とは、逆相関関係の事で、ここでは「動物性脂肪の摂取量が増えるほどに、脳出血と脳梗塞の発症が減っている」という関係性を指します。
脳出血の原因は「高血圧」と思われる方が多いと思いますが、実態は、血管の弾力性の低下によって血管が破れておきます。血管の弾力性が低下する原因は「動物性脂肪の摂取不足」です。日本では、昭和30年代前半の頃までは脳出血が多かったのですが、高度経済成長と共に肉類、乳製品の消費量が増えていくのに従い脳出血は激減していきました。
脳出血の減少と入れ替わるように脳梗塞が増加していき、食生活の西欧化、つまり、動物性脂肪の折衝が増えたため脳梗塞が増加してきたと考えられていましたが、今回の調査で「日本人は動物性脂肪の摂取量が増えると、脳出血だけでなく脳梗塞も減る」事がわかったのです。