カロリーの取り過ぎが病気の原因?
カロリー過剰は病気を招くと言われるが本当でしょうか?
この考えはカロリー=エネルギーという関係式が成り立つことを前提とした考えです。
エネルギー摂取が多くなると、動物にはエネルギーを蓄える、食欲を抑えるなどの多重調節機能があります。不足の場合、蓄積しているエネルギー(脂肪など)で賄いますが、それを超える不足は賄いようがありません。
私は、「何に由来するカロリーなのか」が重要だと考えます。糖質、タンパク質、脂肪、それぞれカロリーを有しますが、それぞれの栄養素は全く違います。
体を構成している細胞の原材料は、タンパク質、脂質(脂肪)、水分です。つまり、この原材料が不足すると細胞が正常に機能出来なくなっていくという事を意味します。
糖質はカロリーはありますが必要な栄養素ではないのです。
タンパク質、脂肪はそれぞれ必要な栄養素になっていきます。
現代社会は糖質過剰社会になっていますので、普通の食生活をしている人の摂取カロリーの半分以上は糖質由来と推測されます。
※糖質は原材料ではなくエネルギーとして利用される材料の1つなのです。エネルギーとして利用しているもので最大のものは酸素です。赤血球はエネルギー源としてブドウ糖しか利用できないのですが、赤血球に必要な程度の最低限必要なブドウ糖は肝細胞がタンパク質と脂質から合成していきますので、糖質を全く摂らなくても何の問題もないのです。
カロリーを取り過ぎて病気になるというのは、カロリーは多いが、必要な栄養素、つまりタンパク質と脂質が不足している事が本当の原因だと考えられます。糖質を食べると、その分、タンパクと脂質の摂取量が減ります。この様な関係をトレードオフの関係と言います。現代人は食事内容が糖質に偏りすぎて、タンパク質と脂質が不足しているため、細胞が機能していくために本当に必要な栄養素が不足し、細胞レベルでの機能障害が起きてきて病気になるのだと考えられます。
※脳は神経細胞の固まりで、神経細胞の60%はコレステロールです。
つまり、脳はコレステロールの固まりなのです。コレステロールは脂肪とタンパク質から合成されますので、タンパク質と脂肪、特に動物性タンパクと動物性脂質(つまりお肉)を十分に摂らないと脳がしっかりと機能出来なくなっていくのです。
全血液中の糖質は最大でティースプーン1さじ!
糖質制限食は現在、アメリカ、イギリスで糖尿病治療として公式に認められ、スエーデンでは国を挙げての取り組みが始まっています。デューク大学(米国)の生活習慣医学クリニックでの患者教育では次のような事が教えられています。
ウェストマン准教授のクリニックの壁にはティースプーン1さじに砂糖がつがれた写真が飾られ、その横に次の事が書かれています。
・正常な全血液中の糖質量はティースプーン1さじ未満
・健康な空腹時血糖値の上限は100mg/dl未満
・人の全血液量はおよそ5L
さあ計算しましょう・・・・
100mg/dl=1000mg/L→5Lの血液中には5000mg(5g)の砂糖(ティースプーン1さじの砂糖!)
ウェストマン准教授は、例え1日に糖質摂取量を20gに制限しても、なお血液中の4倍量に相当することを患者に教えています。
普通のお茶碗1膳(150g)のご飯は、糖質が約55g
うどん1玉(250g)には、糖質が約52g
ラーメンの麺1玉(約200g)には、約56gの糖質
そうめん1食分(約200g) には、約50gの糖質
そば1食分(約260g) には、約54gの糖質
コーンフレーク1食分(50g)には、約41gの糖質
6枚切りの食パン1枚(約60g)には、約27gの糖質
ベーグル1個(約95g) には、約43gの糖質
果汁100%リンゴジュース1杯(200ml) には、約24gの糖質
※角砂糖1個は約3.5gです。それぞれ角砂糖何個分になるか計算されてみてください。