プラス通信 2021.7月号
コロナ遺伝子ワクチン
効果と危険性はコインの表と裏
はじめに
政府は今回の遺伝子型ワクチンを「国民の努力義務」と言っています。であれば、現在治験中のワクチンなので、安全性未確認のワクチンという事を国民にしっかりと説明するのが責務ではないかと思います。「接種は自己判断、自己責任でお願いします」というのに、ワクチンの正確な情報がないのでは判断できません。ですので、ある程度の専門知識がある私が、可能な限り調べた情報を、できるだけ判りやすくご説明し、その情報を元にできるだけ正しいご判断をして頂きたいと思い、今回のプラス通信と致しました。
※私は、医師、薬剤師だけがアクセスできるいくつかの専門サイトに登録していますが、専門サイトでの情報でも、ワクチンの正確な情報がなかなかなく、YouTube等から正確性が担保できると考えられるものもチョイスして参考に致しました。また、情報の正確性を担保するため、可能な限り、厚労省などの公的機関からの情報を元にしてご説明するように致しました。
ファイザーのmRNAワクチンは、発症予防効果は95%、ワクチン接種者の抗体量は感染者の60倍と、従来型のワクチンと比較して格段に強力なワクチンです。「強力=良いこと」と思われるかもしれませんが、強力な免疫を獲得するにはそれなりの代償を払うことになります。それをご理解頂くために、まず、ウイルスに感染したときの免疫の基本的な働きをご説明していきます。
ウイルス感染時の免疫の働き
細胞にウイルスが侵入してたくさん増えると、一部のウイルスが細胞から飛び出し、他の細胞に侵入~増殖を繰り返していきます(感染状態)。ウイルスに侵入された細胞からは、ヒスタミンという「炎症」を誘発するものが放出され、炎症が起きてきます。免疫細胞は、炎症部位に集まってくる性質があり、炎症刺激を受けて活発に活動しだします。炎症が強くなると免疫のスイッチが入り、免疫細胞をたくさん増やしていきます。
炎症は外敵に侵入されたことを免疫に知らせる警報なのです。
※炎症が起きると、痛み、腫れが起きてきて、熱も出てきます。
抗体を作るB細胞
免疫のスイッチが入ると、ウイルスを排除するため、次のような事が起きてきます。
細胞の外にいるウイルスには、B細胞という免疫細胞が「抗体」という免疫タンパクを生産してウイルスを無毒化していきます。抗体はウイルスの表面にあるスパイクにくっつきます。スパイクの形が変わると細胞内に侵入できなくなるため、感染力が消失します(中和作用と言います)。
B細胞がウイルスに近づき
表面の形を調べる。
胸腺には多種類のB細胞が存在します。侵入したウイルスと合致するB細胞が増殖し、ウイルスのスパイクにピッタリと嵌まる抗体を作っていきます。
抗体はベタベタくっつきあう性質があります。抗体がついたウイルス同士はくっつきあい、ある程度の大きさになると、好中球(こうちゅうきゅう)やマクロファージという免疫細胞がウイルスの塊を飲み込んで分解していきます。血液中では好中球が、粘膜(血管の外)ではマクロファージが処理していきます。この過程で大量の活性酸素が発生し、強い炎症が起きます。
ウイルスに感染した細胞は細胞ごと破壊
抗体は細胞の中には入っていけません。細胞の中にいるウイルスは、感染された細胞ごとキラーT細胞という免疫細胞が破壊していきます。ウイルスに感染された細胞は、ウイルスの一部を切り取り細胞の表面につきだして(標識/MHCクラス1といいます)、ウイルスに侵入されたことを知らせます。ヘルパーT細胞という免疫細胞がそのサインを検知して、キラーT細胞を増やす指令を出します。増殖して活性化したキラーT細胞は、感染細胞の標識と結合し、感染細胞の中に遺伝子を切断する酵素を放出して感染細胞ごとウイルスを分解していきます。
自然感染の場合、最初に侵入される粘膜でこの免役反応が起きます。粘膜でウイルスの侵入を食い止めることが出来なかった場合、粘膜の下層に進行され、血管内にウイルスが侵入してきます。ただ、粘膜下層を走っている微小血管で、そこで更に同じ免疫のバリアが働きますので、太い血管まで侵入されて全身にウイルスが回って臓器まで侵されることはそうそうはありません。
ワクチンの場合
コロナ遺伝子型ワクチン
従来型のワクチンは、ウイルスのスパイクタンパクを皮下に注射するものなどです(詳しくはこちら)。遺伝子型ワクチンは、新型コロナウイルスのスパイクタンパクの「設計図」を注射します。スパイクタンパクそのものではなく「設計図」というのがミソです。
遺伝子型ワクチンは
細胞をスパイクタンパク生産工場にする
遺伝子型ワクチンには、ファイザー、モデルナのmRNAのタイプとアストラゼネカのDNAのタイプがありますが、いずれもウイルスのスパイクタンパクを作る設計図の注射ワクチンです。
設計図が細胞内に入ると、細胞内でウイルスのスパイクタンパクが作られていきます。
→細胞内でスパイクタンパクがたくさん作られる
→細胞の表面にスパイクタンパクが突き出てくる
→B細胞が認識してスパイクタンパクにくっつく抗体が作られる
→新型コロナウイルスに対する免疫が出来る
というのが一般的に言われる流れです。
遺伝子型ワクチンで現実に起きる事
第1段階
体は、ウイルスのスパイクタンパクだけであっても、ウイルスに侵入されたと判断し、感染細胞と同じ事が起きます。まず、スパイクタンパクが増えた細胞から「ヒスタミン(炎症誘発成分)」が放出されます※ここで最初の炎症が起きます(重要なポイントですが、これをキチンと説明している専門家を見たことがありません)。
そして、スパイクタンパクの一部が細胞の表面に突き出されます。※細胞の表面にスパイクタンパクが突き出される事は、感染細胞と同じ事が起きている証拠です。
炎症によって免疫が刺激され、ヘルパーT細胞が細胞の表面に突き出されたスパイクタンパクを検知して、キラーT細胞に指令を出し、キラーT細胞がスパイクタンパクが作られている細胞を破壊していきます。
これは免疫の基本的な流れなので、ワクチンが入った細胞は基本破壊されます。
※補足
免疫細胞は「炎症」のシグナルを受けることで活性化して抗体を作ります。従来型のワクチンでは自然に炎症が起きないので「アジュバント」という刺激物を加える事で炎症を誘発します。新しい、遺伝子型ワクチンには「アジュバント」は入っていません。これは、遺伝子型ワクチンでは、自然感染と同じ事が起きて炎症が始まる事を意味します。
第2段階
破壊された細胞の中にある大量のスパイクタンパクが血液中に一気に放出されます。血液中のスパイクタンパクに対してB細胞が抗体を作っていきますが、十分な抗体が作られるまでは7日程度かかるとされています。
※リンクは厚労省のサイトです。有効性についての欄に、十分な免疫ができるのは、2回目の接種を受けてから7日程度経って以降とされています。と記載があります。
※細胞障害性T細胞は、キラーT細胞の事です
※図は、ファイザー新型コロナウイルスワクチンに係る説明資料より転載
スパイクタンパクは7日間
血液中を漂っているだけなの?
新型コロナのスパイクタンパクは、細胞の表面に存在するACE2という酵素と結合します。血管内皮(血管の内側の壁)の細胞にはACE2がたくさん存在していますので、当然、抗体と結合していないスパイクタンパクは、血管内皮細胞と結合していきます。
スパイクタンパクが細胞と結合すると
スパイクタンパクだけでは細胞内に侵入出来ませんので、結合した細胞で増殖することはありません。細胞に結合しているだけです。しかし、この時は既にキラーT細胞が活性化しています。キラーT細胞はスパイクタンパクが結合している細胞を「感染細胞」と認識し、その細胞を次々と破壊していきます。
これを証明する論文が、アメリカのソーク研究所から「新型コロナウイルスのスパイクタンパクそのものに毒性がある」と出ています。※論文の日本語訳
1960年にポリオワクチンの発明者であるジョナス・ソーク博士によって設立
どれ位の細胞が破壊されるのか?
抗体量は重症者ほど多くなります。ワクチン接種者の抗体量は感染者の60倍から相当大量のスパイクタンパクが血液中に放出されていると推計されます。※北海道在住のある医師が1回の接種量でおよそ1万個の細胞に遺伝子(設計図)が入ると推計しています。1個の細胞内でコロナウイルスが1000個ほどに増えると細胞から飛び出てくると考えられているようですので、単純計算すると1千万~数千万個のスパイクタンパクが全身を巡りますので、広範囲な血管内皮に障害が発生すると推測されます。
※血管内皮は絨毛組織で覆われています。絨毛組織は、血管を守る成分や必要な時に血管を広げる成分を生産して、血流を正常に保つ重要な働きをしています。血管内皮の傷が修復されても絨毛は再生しませんので血管としての機能が著しく低下します。更に、血管内皮が傷ついている状態で、免役作用によって血管内で大量の活性酸素が発生するため、さらにダメージが広がっていきます。重症コロナ患者で、長期間、体調が回復しないケースが多く報告されていますが、その原因に、血管内皮がダメージを受けた影響で血液循環に問題が生じてしまった影響が考えられます。
ワクチンのmRNA(設計図)は
すぐに分解されるから問題ない?
「mRNAはスパイクタンパクタンパクをつくるとすぐに分解されるので問題になることはない」と説明されています。細胞内で作られる自然なmRNAは目的のタンパク質を作るとすぐに分解されますが、ワクチンに入っているmRNAは、分解され難いように手が加えられています。
※成分名所をみると「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン」となっています。
(修飾は分子化学的に変えているという表現)
分解されにくいmRNAが必要だった
細胞と結合しているスパイクタンパクに対しては、B細胞は認識出来ないので、抗体の生産量は血液中を漂っているスパイクタンパクの量に比例すると考えられます。ファイザーは、B細胞が十分な抗体を生産するまでの日数を開発過程で把握したはずなので、ワクチン摂取後、7日間間、放出されたスパイクタンパクが次々と血管の細胞と結合していっても、まだ血液中にフリーのスパイクタンパクが十分存在する量のスパイクタンパクを作らせる必要があったため、mRNAに手を加えて分解されにくくしたと考えられます。
まとめ
従来型ワクチン
(スパイクタンパクを注射するタイプ)
・注射液に入っているだけのスパイクタンパクをB細胞が認識して抗体を生産する
・細胞の外で起きる免役反応で、細胞が破壊される現象は通常起きない
・生産される抗体の量は少ないが、免疫記憶は獲得できる
遺伝子型ワクチン
・人の細胞を「スパイクタンパク生産工場」にする
・大量のスパイクタンパクが生産される
・スパイクタンパク生産工場細胞、スパイクタンパクが結合した細胞が破壊される→炎症が起きる
・抗体が接着したスパイクタンパクの塊を好中球が分解→大量の活性酸素が発生、血管内で激しい炎症が起きる
・大量の抗体が生産され、免疫記憶が獲得される
副反応報告から
発熱
2回目接種翌日以降に発熱、強い倦怠感が表れているケースが多いです。20%以上で38℃以上の発熱があり、37.5℃以上では女性で42%で見られています。更に、全体の69%で強い倦怠感、頭痛が見られています。※従来型のワクチンでは、翌日少し接種部位に痛みがある程度の事が殆ど。
これは、非常に強い炎症が起きていることを示唆しています。
※特に若い人に強い発熱が見られていますが、若い人は血流が活発なのでスパイクタンパクがより広範囲に拡散するためではないかと思われます。
※医師を対象としたアンケートで、2回目の接種後に解熱剤を服用したケースが47.1%もあります。従来型のワクチンではこの様な事はなく「ワクチン接種後に発熱が見られることがある」と通常見られる事のように言われてますが、全く通常ではないと考えます。
血栓症と脳出血
アストラゼネカ製での血栓症がEUで問題になっています。ファイザーワクチン接種後の死亡例では脳出血が多く、脳梗塞も見られています。血栓症と出血性疾患が同時に見られている理由として、血管内皮で傷が発生すると、傷を防ぐために血小板が集まってきます。多くの部位で起きると、血小板が一気に消費される事で、血小板が減ってしまうためと考えられています。血小板が少ない状態で傷が発生すると出血を止められません。脳でこれが起きると脳出血やくも膜下出血など致命的になってしまうと考えられます。
また、大きな血栓となった場合は脳梗塞となる場合もあるでしょう。
心筋炎
遺伝子型ワクチンと心筋炎との関係をCDC(アメリカの疾病管理センター)が指摘しています。心臓は血液が集まってきますので、スパイクタンパクが心臓に多く集まることは容易に推察できます。スパイクタンパクが結合した心臓の壁(筋肉組織)が、ある程度以上破壊されると強い炎症が起きて心筋炎を起こす事はあり得ます。特に若い男性に多く見られていますが、若い男性は心臓が活発に動くので、そのリスクが高くなるのだと推測されます。
※心筋炎の影響は将来に及ぶ可能性があります。心筋炎を起こした心筋部位は収縮力が低下します。心筋細胞は再生しませんので、その影響は後々表れてくると考えられます。
遺伝子型ワクチン副反応と
コロナ感染の共通点
遺伝子型ワクチン摂取後の多彩な症状は、新型コロナ感染による多彩な症状と似ています。新型コロナウイルスは、血管内皮細胞に感染して炎症が起きて、炎症によって微小血栓が形成され、血栓が全身に回って微少血管でつまって起きる事が判明しています。コロナ感染と同じような状態を作る事で抗体を作らせる事がワクチンの目的ですので、当然と言えば当然かもしれません。
注射はダイレクトに血管に届く
自然感染の場合
ウイルスは、粘膜→粘膜下層→微小血管→大血管、臓器、と外から侵入していきます。その都度免疫バリアがあり、簡単には大血管、臓器まで侵入できません。
筋肉注射の場合
ダイレクトに太い血管→臓器に行くため、いきなり強い免役反応が起きます。大量のスパイクタンパクが血液中に放出されるため、コロナ感染と似た状態が起きてしまうと考えられます。
2回目の接種後に強い副反応が現れやすい理由は
2回接種をする理由の裏返し
1回目の時はスパイクタンパクに対する免疫反応が弱くしか起きません。つまり、1回では、大量の抗体が生産されにくい事を意味します。が、スパイクタンパクに対する免疫記憶は出来ます。
免疫記憶が出来た状態で2回目を接種すると、免疫が素早く、強く反応します。このため、大量の抗体生産が誘導されますが、同時に、激しい炎症が起きるため、強い副反応が現れやすくなります。
遺伝子型ワクチンと
副反応の因果関係証明は困難
人に初めて接種するワクチンなので、実際にどのような事が起きるのか判っていません。血管は全身にあり、何処でどの程度のスパイクタンパクの結合が起きるのか不明で、ランダムに起きるとしたら一貫性はなく、因果関係を証明するのは非常に困難と考えられます。
※異常行動による飛び降り、この様な事例などは因果関係の証明は甚だ困難と思われます。
また、遺伝子型ワクチンで見られている深刻な副反応は、数日経過してから現れるケースが多いです。従来のワクチンでは、副反応は接種後24時間以内というケースが殆どです。数日経過しての症状はワクチンとの因果関係は証明され難く、現在の所、接種後の死亡報告の全てで「因果関係は認不明」と判断されています。ファイザーワクチン接種後死亡報告2021.06.23
副反応が数日後におきる理由を考えてみた
従来のワクチンでの副反応は接種後24時間以内が殆どで、時間の経過と共に減少していくパターンです。これは、ワクチンに含まれるアジュバント(炎症誘発成分)によって炎症が起きての副反応のためと考えられます。遺伝子型ワクチンにはアジュバントは入っていません。摂取後、数日経過して副反応が見られています。これはmRNAが細胞にとりこまれ、細胞内でスパイクタンパクが十分に生産されるまでに時間がかかるためではないかと考えられます。
スパイクタンパクが十分出来ると、生産工場となった細胞が破壊され
→強い炎症が起きてくる
→抗体によって凝集したスパイクタンパクを好中球が分解
→大量の活性酸素が発生し、激しい炎症が起きる
この様な流れのため副反応が起きるまで数日かかるのではないかと推測されます。
遺伝子型ワクチンは現在「治験中」
今回の遺伝子型ワクチンは、本家のアメリカでは、現在、治験中でファイザーの治験計画では終了は2023.5月になっています。当然、人に対する中長期的な影響は判っていません。治験も終わっていない、元々危険性を有するワクチンを多くの人に打たせることは、今までの医学常識ではあり得ないことです。※ワクチンは病原体の一部を体に入れて擬似的な病気状態を作り出すものなので、もともと危険性をはらんでいるものなのです。
「ワクチンで不妊」はデマ?
遺伝子型ワクチンで不妊になるというデマが世界で拡散している、と言われています。先日、TVで河野太郎大臣も「不妊になるという証拠はありません。完全なデマです」と断言されました。確かに、不妊になるという証拠はありません。同時に「不妊を起こさない」という証拠もありません。事実は「判りません」と言うことです。そもそも、メーカー、そして承認する側が「不妊になる確率は極めて小さい」という確証を得てから接種すべきものです。
※ファイザー社のワクチンの申請資料概要に、ラットに筋注後、ワクチン粒子の血中濃度は2時間でピークに達し、48時間後、注射部位の濃度に対して肝臓では15%、脾臓14%、副腎11%、卵巣7.5%、骨髄2.3%、小腸0.9%、大腸0.8%という順に取り込まれています。卵巣に7.5%集まることで何が起きるのかは不明です。
ファイザーワクチンの妊娠に関する動物実験
注射のワクチンでは感染を防げない
ファイザーの遺伝子型ワクチンでは発症予防効果は95%と言っています。「感染予防」ではなく「発症予防」としか言っていません。発症予防効果95%と聞くと、「コロナにかからない=感染しない」だからマスクは要らないよね!と思うはずです。しかし、ワクチンをしてもマスクは必要と言われています。
なぜ?と思いますよね。
実は「発症予防」と「感染予防」は意味が違うのです。つまり、遺伝子型ワクチンで免疫を付けても感染を防ぐことは出来ないのです。ですから、感染して熱が出たりという症状が出ることはあります。実際、
・【大阪】看護師、ワクチン接種後に感染確認…コロナ患者の担当
と国内外で接種完了済みの感染が次々と報告されています。
なぜ感染を防げないのか?
遺伝子型ワクチンで確かに大量の抗体が生産されますが、「注射」でダイレクトに血液中に投与します。つまり、ウイルスを無毒化する抗体は「血液中にしか生産されない」のです。
抗体は、5種類見つかっています。
・IgM-血液中に存在する抗体で、初めての病原体に感染した初期に作られます。
・IgG-血液中に最も多い抗体で、ウイルスを無毒化する中和抗体と言われる主な抗体です。
・IgA-咽、鼻、唾液、涙、尿などに存在する抗体で、感染防御に重要な抗体です。
・IgE-アレルギーに関係したり、寄生虫に対する抗体です。
・IgD-血液中に微量存在。細菌感染に対する補助的防御をしている事が判ってきました。
感染防御は
IgA抗体
自然に感染する場合、ウイルスは咽、鼻、目という外界と接している粘膜から侵入してきます。ですから、自然感染した場合、唾液、口、鼻の粘膜、涙でIgA抗体が作られます。血液中の抗体も作られ、T細胞も活性化します。つまり、自然感染では感染防御に必要な全ての免疫を獲得します。注射のワクチンは、粘膜を通らないで直接、血液中に行きますので、血液中のIgG抗体しか作られず、唾液、口、鼻の粘膜、涙でIgA抗体が作られません。ですので、感染を防御できません。
日本人は既にIgA抗体を獲得している
・神奈川歯科大学の研究グループが新型コロナウイルス非感染者の唾液中にS蛋白に対する交叉IgA抗体を発見
6/7に、この報告がされました。これが意味することは、日本人の多くは、すでに新型コロナに自然感染していて、感染防御抗体を持っているという、とても重要な報告ですが、マスコミが報道することは全くありません。
高齢者には少なかったと言うことですか、IgA抗体は6日で半分に減りますので、ウイルスと触れあわないとドンドン減っていきます。
ただし、1回感染すると免疫記憶を獲得し、次にウイルスが粘膜に侵入すると、ただちに抗体が作られて、ウイルスを無力化しますので問題はありません。ただ、血液循環が悪いと、唾液など粘液の分泌量が少なくなり、免疫細胞も十分に機能出来ないためウイルスを門前払いする事が出来ず侵入されてしまう事が出てきます。
コロナウイルスは門前払いが重要
新型コロナは従来のコロナウイルスと基本的な働きは同じ
ただ、感染のしやすさが高くなった変異ウイルス
従来のコロナ感染でも高齢者で持病がある場合は亡くなる事がありました。
ただ、殆どで自然に治る風邪でしたので、詳しいメカニズムは解明されていませんでした。新型コロナの出現によって、研究されたことで、コロナウイルスは血管内皮に感染し、微小血管で炎症がおきて、血栓が発生し、微小血栓が全身を巡って血管がつまる事で特徴的な肺炎が起きるという感染メカニズムが判明しました。つまり、コロナは血管内に侵入されるとやっかいなので、門前払いする事が肝心なウイルスと言えます。
変異株の恐怖は本当?
少し前に「イギリス株」で日本は大変な状況になると騒がれていました。現在、イギリス株が大半と考えられていますが、大変なことにはなっていません。現在、更に強い「インド株」ですれ違うだけで感染と騒がれていますが、既に国内に入っています。また、既に日本国内でH型、Y型という武漢やイタリアでアウトブレイクしたものより感染力が強い株が発生しています。しかし、それで日本国内でアウトブレイクは発生していません。それは、既にIgA抗体が多くの日本人で獲得されているためと考えられます。IgA抗体は柔軟性を持つ抗体で変異株に対しても柔軟に対応できるためです。更に、ウイルスと触れあうことでIgA抗体の設計図が上書きされ続け、変異株にも十分に対応出来ているためと考えられます。
※「感染のしやすさ(感染力)」と「重症化率(死亡率)」というのは全く別の要因です。感染しやすい(感染力)=死亡率が高い、という関係性はありません。
抗体が大量に作られても
あまり意味はない?
抗体はタンパク質ですので、時間の経過と共に分解されていきます。コロナのIgGは約36日で半分になりますので、2ヶ月もすると1/4になり、6ヶ月では1%になります。重要なのは「免疫の設計図(記憶)」を獲得することですので、大量の抗体が出来なくても問題はないのです。
子供は、自然免疫が強いために感染しにくく重症化しにくいと考えられています。唾液などの分泌量も多く物理的にも感染に強いと考えられます。大人になるのに従い自然免疫が低下してくると言われていますが、その理由は判っていません。私は恐らく、糖質の過剰摂取の影響で血液循環がスムーズでない状況が発生してくる事が大きな要因の1つではないかと考えています。実際、私は糖質制限をして11年になりますが、全く風邪をひかなくなりました。妻や子供は熱を出すことがありますが、私は全く熱も出ないし、咽も痛くなりません。※糖質制限をする以前は、注意していても年に1回は咽が痛くなっていました。
腸内細菌はウイルス感染防御のカギ
インフルエンザワクチンの開発の研究で、マウスに抗生剤を投与して腸内細菌を減少させると、粘膜のIgA抗体だけでなく、肺粘膜のT細胞、血中IgG抗体の生産量が減少する事が判明しました。これによって、免疫抗体の生産が腸内細菌によってコントロールされていることが判明しました。良好な腸内細菌バランスが、良好な免疫を維持していくカギとなるのです。酵素分解殺菌乳酸菌のチサフェルナがウイルス感染による肺の炎症を抑制し、重症化を予防する効能特許を所得していますが、チサフェルナによって良好な腸内細菌バランスか誘導されるためと考えられます。
特許取得実績乳酸菌LFK製品
ワクチンを接種する場合
塩野義製薬が開発しているワクチンは、ウイルスのスパイクタンパクを遺伝子技術を使って増産し、それを接種するという従来型のワクチンです。※組み換えたんぱく質ワクチン
国の承認次第ですが、承認が下りれば12月にも国内供給出来るようになる見通しの様です。
・国内コロナワクチン、年内供給も 早期承認制度、国と協議―製薬会社
感染防御は経鼻ワクチン
最も安全性が高く、感染予防効果も高いワクチンは、鼻からスプレーする「経鼻ワクチン」です。塩野義製薬も経鼻ワクチンの開発をしています。経鼻ワクチンは鼻の粘膜で免役反応を誘導し、より自然感染に近いワクチン投与方法になり、IgA抗体、T細胞免疫を誘導することが出来ます。
※経鼻ワクチンでも、遺伝子型ワクチンより従来型のワクチンの方が安全性が高いと考えられますので、もし、ワクチンをされるのであれば塩野義製薬の経鼻ワクチンがベストな選択でしょう。
※国産ワクチンでも遺伝子型ワクチンが開発されていますので、それはやらない方が良いと考えます。
・日本国内で開発されているワクチンの種類
※マスコミで、イスラエルやイギリスでは大部分の国民にワクチン接種が行われて、通常の生活に戻りつつあるので、日本ももっと接種を早く行っていく事が必要だと盛んに言われていますが、実際の数字を見ると接種がほぼ済んだイスラエル、イギリスの感染者数より日本の方が少ないと言うのが実態です。
まとめ
今までの感染状況を数字で見ていくと、日本人には既に新型コロナウイルスに対する集団免疫があるとしか説明が出来ません。日本人にとって新型コロナウイルスは少し強い風邪のウイルスという程度です。
※マスク、手洗いなどでインフルエンザが激減したという説明をしている専門家(医師など)がおられますが、コロナ以外のウイルス感染症が軒並み激減している事の説明が出来ません。マスク手洗いでインフルエンザが防げているとすれば、当然、コロナも殆どなくなっているはずですし、なにより、インフルエンザはコロナで騒がれて手洗い、マスクが推奨される以前の2019年12月~2020.1月から激減しています。この現象を説明できるのは「ウイルス干渉」しかありません。
風邪のウイルスですので、日常生活で感染対策を続けるのは不可能です。「日常的にウイルスと触れあっておく事で免疫が維持され続けていく」というのが免疫の基本の1つです。ですから多くの人と触れあうとことで免疫の最適化が絶えず行われ、コロナにかかり難い状態を維持できることになります。
感染症は地域で大きく違う
感染症は地域(国別など)によって状況は180℃違ってきます。免疫の形成は生まれてから触れあう微生物層との関係で築かれていくため、その地域に存在する細菌、ウイルス等の微生物層が違う事が大きく影響しますし、母親から受け継ぐ免疫も関係します。母親は、親から受け継いだ免疫+生まれてからの環境中の微生物との触れあいによって形成された免疫を次世代に渡していきます。
つまり、何世代にも渡り免疫機能が受け継がれ、住む環境になじむ免疫状態が形成されていのです。ですから、日本人と、欧米人の免疫状態はかなり違うのは当然なのです。
※欧米人にはペスト菌に対する免疫が形成されています。
ですから、海外で起きている事はあくまで参考でしかなく、同じ事が日本で起きるとは限らないのです。
日本人はインフルエンザの方が怖い
少なくとも日本人にとってはインフルエンザの方が遥かに怖い感染症なのは間違いありません。コロナが日本で蔓延した2020.3月-2021.2月での病気による総死亡者数は13,000人ほど減少しています。
これは、超過死亡数と言いますが、コロナ蔓延後超過死亡者数が減少した国は7カ国ほどあるのですが、その中でも日本は最も減少した国です。
大きな要因はインフルエンザによる死亡がほぼ0になった影響と推計されています。つまり、インフルエンザの方が遥かに怖い病気だと言えるのです。コロナでなくなるのは、病気があって施設や入院している高齢者が殆どです。インフルエンザも、基礎疾患がある高齢者の死亡リスクが高いのですが、コロナで死亡者0の乳幼児の死亡リスクも高くなるので、インフルエンザの方が遥かに怖い感染症と言えます。
スペイン風邪は
コロナパンデミックの後に訪れている
1889年から流行して世界中で100万人以上が死亡したパンデミックがあり「ロシア風邪」と言われてます。その後、ロシア風邪の原因は突然変異したコロナウイルスと言う事が判明しています。
その後、1918年から1920年にかけ全世界的に大流行したH1N1亜型インフルエンザがスペイン風邪です。かなり昔のことなので、ロシア風邪とスペイン風邪の間の感染症状況はよく判りませんが、恐らく、ロシア風邪の後しばらくは、ウイルス干渉の影響でインフルエンザが激減していたのではと考えられます。激減していた間、人々はインフルエンザウイルスと触れあう機会が激減していたと考えられ、インフルエンザウイルスに対する免疫が廃れてしまっていたと推測されます。ウイルスの毒性は絶対的なものではなく、免疫とのバランスで決まりますので、コロナウイルスに対する免疫が強く形成され、インフルエンザウイルスとの免疫が廃れた状態で、少し変異したインフルエンザウイルスが出現した時にパンデミックになった可能性が考えられます。インフルエンザが流行しない期間が長くなるほどに免疫は廃れてきますので、十分な注意と備えが必要ではないかと考えられます。